こんにちは。庭と暮らす、日々のこと、運営者の「ゆう」です。
庭や駐車場に生えてくる雑草の中でも、特に厄介なのが「オヒシバ」ですよね。
何度除草剤を撒いても、なぜかオヒシバだけが枯れずに残ってしまう、そんな経験に頭を抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は、私たちが普段使っている一般的な除草剤に対して、オヒシバが抵抗力を持ち始めていることが大きな原因の一つなんです。
「おすすめの除草剤はどれなのか」「芝生の中に生えた場合はどうすればいいのか」「最強の枯らし方はあるのか」、そんな疑問を解消するために、今回は私が実際に試して効果を感じた方法や、専門的な視点を取り入れた対策について詳しくお話ししていこうと思います。
- オヒシバが一般的な除草剤で枯れない「抵抗性」の正体がわかる
- 家庭菜園や駐車場など場所ごとに最適な「最強の除草剤」がわかる
- 除草剤の効果を劇的に高める展着剤の使い方や散布時期がわかる
- 来年こそはオヒシバを生やさないための予防管理のコツがわかる
オヒシバに除草剤が効かない原因と抵抗性

一生懸命に除草剤を撒いたのに、数日経ってもオヒシバだけが青々としていると、本当にがっかりしてしまいますよね。ここでは、なぜオヒシバがこれほどまでにしぶといのか、その生物学的な強さと、近年問題になっている「薬剤抵抗性」について掘り下げていきます。
オヒシバが除草剤で枯れない主な理由
オヒシバは別名「チカラグサ」とも呼ばれるほど、非常に強靭な性質を持ったイネ科の雑草です。私が庭いじりをしていて感じるのは、その根の張りの強さです。引き抜こうとしても簡単には抜けず、踏まれてもビクともしないタフさがあります。まず、このオヒシバの「基礎体力」の高さについて、もう少し詳しくお話ししましょう。
実はオヒシバは「C4植物」と呼ばれるグループに属しています。これは、トウモロコシやサトウキビと同じ仲間で、夏の暑さや乾燥にめっぽう強いという特徴があります。一般的な植物(C3植物)は、気温が高くなりすぎると光合成の効率が落ちてしまうのですが、C4植物であるオヒシバは、日本の猛暑のような過酷な環境下でも、むしろアクセル全開で光合成を行い、ぐんぐん成長します。他の雑草が暑さで弱っている隙に、オヒシバだけが一人勝ちしてしまうのはこのためです。
さらに厄介なのが、その圧倒的な繁殖力です。一つの株から数千個から数万個もの種をばら撒くと言われています。これらの種は一度にすべて発芽するのではなく、時期をずらしてダラダラと発芽し続ける性質があります。これを「不斉一発芽(ふせいいつはつが)」といいます。「よし、除草剤で一掃したぞ!」と思っても、数週間後にはまた新しい芽が出ている…というのは、土の中に眠っていた別の種が遅れて発芽してきているからなんです。
土壌シードバンクの恐怖
土の中に落ちた種は何年も生き続けます。これを「土壌シードバンク(種の銀行)」と呼びます。一度オヒシバの侵入を許すと、この銀行に大量の種が預金され、そこから毎年「利子」のように新しい雑草が生えてくるわけです。
また、オヒシバの根は深く広く張り巡らされており、水分や養分を効率よく吸収します。この強靭な根系が、除草剤によるダメージから回復する際のエネルギー源としても機能してしまうため、ちょっとやそっとの薬量では枯れきらないことが多いのです。
ラウンドアップが効かない抵抗性の実態
「除草剤といえばラウンドアップ」というくらい有名なグリホサート系の除草剤ですが、最近ではこのグリホサートが効かないオヒシバが増えています。これは使い方が悪いのではなく、オヒシバ自身が進化して「除草剤抵抗性」を獲得してしまったからなんです。世界中で最も頼りにされていた除草剤が効かないというのは、私たちガーデナーにとっても農家さんにとっても衝撃的な事実です。
通常、グリホサートは植物が生きていくために必要な特定のアミノ酸を作る酵素(EPSPSといいます)の働きをブロックすることで、植物を枯死させます。しかし、抵抗性を持ったオヒシバは、この酵素の形を微妙に変えて薬がくっつかないようにしたり、あるいは酵素の数を異常に増やして薬の影響を乗り越えたりする能力を身につけてしまいました。
なぜ抵抗性が生まれたの?
一番の原因は「同じ除草剤を何年も使い続けたこと」です。毎年グリホサートばかりを撒いていると、たまたまその薬に強い遺伝子を持った個体だけが生き残り、その子孫が増えていくことで、最終的に「薬が効かないオヒシバの純系集団」が出来上がってしまうのです。
特に、道路沿い、駐車場、果樹園など、年間を通じて除草管理が行われている場所で多く発生しています。公的な研究機関の調査でも、沖縄県や北関東などを中心に、通常の何倍もの濃度のグリホサートを散布しても枯れないオヒシバが確認されています。
(出典:沖縄県農業研究センター『グリホサート抵抗性オヒシバの発生分布と数種除草剤による防除効果』)
「いつも使っている除草剤が効かなくなったな?」と感じたら、それは散布ミスや天候のせいではなく、あなたの庭にもこの抵抗性オヒシバが侵入してきたサインかもしれません。この場合、濃度を濃くしてもほとんど効果は期待できませんので、潔く別の種類の除草剤に切り替える必要があります。
芝生に生えたオヒシバは防除が難しい
ガーデニング愛好家にとって最大の悩みどころであり、最も技術を要するのが、芝生(高麗芝や野芝など)の中に生えてしまったオヒシバの処理ではないでしょうか。どちらも生物学的には同じ「イネ科」の植物なので、体のつくりや性質が非常によく似ています。そのため、オヒシバだけを枯らそうと強力な除草剤を使うと、大切な芝生まで一緒に枯れてしまうリスクが極めて高いのです。
一般的にホームセンターで売られている「すべての雑草を枯らす」タイプの除草剤(グリホサート系など)は、専門用語で「非選択性除草剤」と呼ばれます。これを芝生にかけてしまうと、かけた場所が丸く枯れてしまい、修復には長い時間がかかります。初心者がやってしまいがちな失敗ナンバーワンと言っても過言ではありません。
絶対NGな行動
「薄めて使えば大丈夫かも?」は間違いです。非選択性除草剤は薄めても芝生に深刻な薬害を与えます。芝生には必ず「芝生用」と書かれた除草剤を使わなければなりません。
しかし、ここで問題になるのが、芝生用の除草剤の多くは「広葉雑草(クローバーやタンポポなど)」を枯らすためのものであり、イネ科雑草であるオヒシバには効果が薄いものが多いという点です。「選択性除草剤」と呼ばれる、芝生を生かして雑草だけを枯らす薬が必要なのですが、イネ科である芝生の中で、同じイネ科のオヒシバだけを識別して枯らすことができる薬剤は、実はプロが使うようなものを含めてもごくわずかしか存在しません。
多くの人が「芝生用除草剤を撒いたのに、オヒシバだけ元気なまま残ってしまった」と嘆くのは、その薬剤が「イネ科雑草も枯らすタイプ」ではなかったことが原因であることが多いのです。適切な薬剤(後述するアージランなど)を選び、さらに気温や芝生の健康状態を見極めて散布するという、非常に繊細なコントロールが求められるのが、芝生内のオヒシバ対策の難しさなのです。
展着剤を使わないと薬液が弾かれる
「高い除草剤を買ったのに効かなかった」というケースで、意外と見落とされがちなのが「展着剤(てんちゃくざい)」の存在です。オヒシバの葉をよく観察してみてください。表面がツルツルとしていて、少し青みがかった色をしていませんか?
オヒシバの葉の表面は、分厚いクチクラ層(ワックス層)で覆われています。これは本来、水分の蒸発を防ぐためのものですが、同時に外からかかった水分、つまり除草剤の薬液さえも強力に弾いてしまうバリアとして機能します。特に、夏場に大きく成長したオヒシバの葉は硬く、垂直に近い角度で立っていることが多いため、上からシャワーのように薬液をかけても、コロコロと水滴になって地面に落ちてしまい、葉の上にほとんど残らないのです。
これでは、いくら強力な成分を含んだ除草剤でも効果を発揮することはできません。「良い薬を使っているのに効かない」原因の半分くらいは、実はこの「付着不良」にあると私は考えています。
機能性展着剤のすすめ
そこで必須となるのが展着剤です。これは薬液の表面張力を下げて、葉にベタッとくっつきやすくするための補助剤ですが、オヒシバ対策には普通の展着剤(ダインなど)よりもさらに高性能な「機能性展着剤」の使用を強くおすすめします。
機能性展着剤(例えば「アプローチBI」や「スカッシュ」など)は、単に濡れやすくするだけでなく、ワックス層を溶かして成分を植物の体内に強引に浸透させる力を持っています。また、散布後に雨が降っても薬液が流れ落ちにくくなる「耐雨性」も向上します。私自身、展着剤をこの機能性タイプに変えただけで、今まで枯れなかった雑草が面白いように枯れるようになった経験があります。オヒシバとの戦いにおいて、展着剤は脇役ではなく、主役級の重要アイテムなのです。
除草剤を散布する時期が遅れている
除草剤の効果を最大限に引き出すために、薬剤選びと同じくらい重要なのが「散布するタイミング(時期)」です。どんなに優れた「最強の除草剤」であっても、オヒシバが大人になりきってからでは、その効果は半減、いやそれ以下になってしまいます。
オヒシバの成長スピードは驚くほど速いです。5月頃に芽を出したと思ったら、梅雨の雨を受けて一気に巨大化し、夏には草丈が30cm〜50cmにも達します。さらに穂が出て花が咲いてしまうと、植物体は「子孫を残すモード」に切り替わり、葉や茎への代謝が変化して除草剤が効きにくくなります。
除草剤が最も効くゴールデンタイムは、専門用語で「3〜5葉期」と呼ばれる時期です。草丈で言うと、だいたい10cm〜20cmくらいの、まだ柔らかさが残る若い時期ですね。この段階であれば、少ない薬量でも成分が植物全体に行き渡りやすく、確実に根まで枯らすことができます。
大きくなると効かない理由:移行阻害
植物が大きくなりすぎると、葉から吸収した除草剤の成分が、一番枯らしたい「根」や「生長点」まで届く前に途中で止まってしまう現象が起きます。これを移行阻害といいます。結果、葉っぱだけが茶色くなって枯れたように見えても、根っこは生きていてすぐに再生してしまうのです。
「もう少し大きくなって目立ってからでいいか」という先送りの心理が、防除失敗の最大の要因です。オヒシバを見つけたら、「小さいうちに叩く」。これが鉄則です。もし、すでに大きくなりすぎてしまった場合は、いきなり除草剤を撒くのではなく、一度草刈り機などで地上部を刈り取り、そこから再生してきた柔らかい新芽に対して除草剤を散布するという「二段構え」の作戦が有効です。
オヒシバに除草剤が効かない時の解決策

原因がわかったところで、次はいよいよ具体的な解決策の実践編です。「理屈はわかったけど、じゃあ具体的に何を買ってどう撒けばいいの?」という疑問にズバリお答えします。私が徹底的にリサーチし、実際に庭で試してきた中で「これは効果絶大!」と確信した薬剤の選び方とプロレベルのテクニックをご紹介します。
オヒシバに効く最強のおすすめ除草剤
グリホサート抵抗性オヒシバに対抗するためには、今まで使っていた薬剤とは違う仕組み(作用機序)で植物を攻撃する除草剤を選ぶ必要があります。しかし、どの薬も万能ではありません。「どこに撒くか」「周りに守りたい植物があるか」によって、最適な一本は変わってきます。
ここでは、オヒシバ防除の「三種の神器」とも言える3つの系統の除草剤を比較してみましょう。
| タイプ | 代表的な薬剤名 | 特徴・メリット | 推奨シーン |
|---|---|---|---|
| ACCase阻害剤 | ナブ乳剤 セレクト乳剤 | イネ科雑草だけを枯らす選択性除草剤。 吸収移行性があり、根まで完全に枯らす力が強い。 広葉作物にかかっても安全。 | 畑、花壇 (野菜や花の周り) |
| グルホシネート系 | バスタ液剤 ザクサ液剤 | かかった部分を枯らす接触型。 即効性があり、抵抗性オヒシバにも高い効果。 土に落ちるとすぐに分解される。 | 駐車場、空き地 果樹園の株元 |
| カーバメート系 | アージラン液剤 | 日本芝に安全な選択性除草剤。 芝生の中に生えたオヒシバやメヒシバを防除できる数少ない薬剤。 | 日本芝の庭 (高麗芝など) |
このように、目的の場所に合わせて武器を持ち替えることが、勝利への近道です。特に「ナブ乳剤」と「バスタ液剤」は、グリホサートが効かないオヒシバ対策のツートップとして、プロの農家さんの間でも常識となりつつあります。次項から、それぞれの具体的な使い方を深掘りしていきましょう。
確実に根まで枯らすにはナブ乳剤を使う
もしあなたが、家庭菜園の野菜の間や、大切な花壇の周りに生えているオヒシバに悩んでいるなら、迷わず「ナブ乳剤」などのACCase阻害剤を選んでください。これが現時点で、農耕地におけるオヒシバ対策の「最強の切り札」です。
この薬剤の最大の特徴は、「イネ科の植物だけを狙い撃ちにする」という驚異的な選択性です。例えば、トマトやナスの近くで散布して、誤って野菜の葉にかかってしまっても、野菜(広葉植物)には全く影響がなく、オヒシバ(イネ科)だけが枯れていくのです(※必ず登録作物を確認してください)。この安心感は他の除草剤にはありません。
さらに、ナブ乳剤は「吸収移行型」の除草剤です。葉から吸収された成分が、植物の体内を通って根の先や生長点まで運ばれるため、地上部だけでなく根っこまで完全に枯らすことができます。再生力が強いオヒシバを完全に沈黙させるには、この「根まで枯らす力」が不可欠です。
ナブ乳剤の効果的な使い方
- 希釈倍率を守る:通常、水で100倍〜200倍に薄めて使います。ケチって薄くしすぎると効果が出ません。
- 展着剤は必須:前述した通り、オヒシバは水を弾くので、必ず機能性展着剤を混ぜてください。
- 全面散布する:作物にかかっても大丈夫なので、ビクビクせずに上から全体にしっかりと散布します。
- 効果が出るまで待つ:これが一番重要です。ナブ乳剤は「遅効性」です。散布後数日は変化がなく、「あれ?効いてない?」と不安になりますが、1週間ほど経つと芯の部分から赤紫色に変色し、2〜3週間かけてゆっくりと、しかし確実に枯死します。焦って追加散布しないようにしましょう。
大きなオヒシバにはバスタ液剤が有効
駐車場や空き地、あるいは作物が植わっていない畝間(うねま)などで、オヒシバがすでに大きく育ってしまった場合。または、ナブ乳剤のような遅効性ではなく「今すぐ見た目をなんとかしたい」という場合には、「バスタ液剤」や「ザクサ液剤」などのグルホシネート系除草剤がベストチョイスです。
これらは「接触型」の除草剤で、薬液がかかった部分の細胞を強力に破壊します。そのパワーは凄まじく、グリホサート抵抗性のオヒシバであっても関係なく枯らすことができます。早ければ散布した翌日〜2日後には葉が黄色く変色し始め、数日で茶色く枯れ上がります。このスピード感は非常に気持ちが良いものです。
しかし、接触型ならではの弱点もあります。それは「かかっていない部分は枯れない」という点と、「根までは枯れにくい」という点です。
バスタ液剤で成功するためのテクニック
- 水量をたっぷりと:移行性がないため、葉の表面だけでなく裏側や茎の根元まで、植物全体を薬液で包み込むように散布する必要があります。サッとかけるだけでは不十分です。「濡れるほど」かけるのがコツです。通常の除草剤よりも多めの水量(10アールあたり100〜150リットル目安)を用意しましょう。
- 再生(リローディング)への対応:根が生き残ることがあるため、枯れたと思っても数週間後に株元から新しい緑の葉が出てくることがあります(これをリローディングといいます)。これを見つけたら、すかさず2回目の散布を行うか、あるいはACCase阻害剤と組み合わせて体系的に防除することで、完全な枯殺を目指します。
芝生の雑草にはアージラン液剤を選ぶ
「芝生の中のオヒシバ」という最難関ミッションに挑む方には、「アージラン液剤」が強い味方になります。これはカーバメート系の除草剤で、日本芝(高麗芝、野芝など)に対しては安全性が高く、一方でオヒシバやメヒシバといったイネ科雑草を枯らすことができるという、非常に貴重な特性を持っています。
ホームセンターなどでは「シバゲンDF」などの芝生用除草剤も人気ですが、シバゲンはどちらかというと広葉雑草やカヤツリグサ科に強く、大きくなったオヒシバに対しては効果がややマイルドな場合があります。対してアージランは、イネ科雑草への殺草力が比較的高いため、オヒシバ対策としてはこちらが優先されます。
アージラン使用時の注意点:薬害を避けるために
アージランは強力ですが、使い方を間違えると大切な芝生にも「薬害(葉が黄色くなる、成長が止まる)」が出る諸刃の剣でもあります。以下のポイントを必ず守ってください。
西洋芝には絶対NG
ベントグラスやケンタッキーブルーグラスなどの「西洋芝」は、オヒシバと同じくらい薬に弱いため、アージランを撒くと全滅します。使えるのは日本芝だけです。
- 高温時を避ける:気温が30度を超えるような真夏に散布すると、芝生へのダメージが大きくなります。朝夕の涼しい時間帯か、春・秋の気候の良い時期を選んでください。
- スポット散布を基本に:芝生全体に撒くのではなく、オヒシバが生えている箇所を狙ってピンポイントで散布するのが安全です。刷毛(ハケ)を使ってオヒシバの葉に直接塗る方法も、飛散がなくておすすめです。
- 小さいうちに撒く:オヒシバが大きくなればなるほど、枯らすために必要な薬量が増え、その分芝生へのリスクも高まります。見つけ次第、小さいうちにアージランで処理する。これが芝生管理の鉄則です。
土壌処理剤で発芽させない予防が重要
ここまで、生えてしまったオヒシバを「どう枯らすか」に焦点を当ててきましたが、実は最も賢く、コストパフォーマンスの良い対策は「そもそも生やさないこと」です。オヒシバとの戦いは、目に見える前の「土壌処理」で勝負の8割が決まると言っても過言ではありません。
「土壌処理剤(発芽抑制剤)」とは、土の表面に薬剤の薄いバリア層(処理層)を作る薬のことです。雑草の種が発芽し、地表に出ようとするときにこのバリア層に触れることで、幼根や幼芽がダメージを受けて枯死します。つまり、雑草が地上に顔を出す前に退治してしまうのです。
最適な散布タイミング
オヒシバは春(4月下旬〜5月頃)から地温の上昇とともに発芽を始めます。ですので、その少し前、「3月下旬〜4月上旬」に土壌処理剤を散布するのがベストタイミングです。ここで一度バリアを張っておけば、ゴールデンウィーク頃の草むしりが劇的に楽になります。
- 畑・非農耕地用:「ウェイアップフロアブル」や「ゴーゴーサン乳剤」などがおすすめです。黄色い薬液で散布ムラがわかりやすいものも多いです。
- 芝生用:「シバニード」や「クサブロック」、「カソロン」などがあります。肥料入りの粒剤タイプなら、撒くだけで施肥と除草が同時にできて便利です。
土壌処理剤の効果は通常3〜4ヶ月ほど持続します。春に1回、そして効果が切れる夏前にもう1回散布することで、オヒシバの発生シーズンをほぼカバーし、一年中きれいな庭を維持することが可能になります。「生えてから枯らす」から「生やさない」へ、管理の意識をシフトしてみましょう。
オヒシバ防除に関するよくある質問(Q&A)

最後に、私のブログに寄せられる相談や、オヒシバ対策でよくある疑問をQ&A形式でまとめました。作業前の最終確認として参考にしてください。
- オヒシバは草むしり(手で抜くこと)では駆除できませんか?
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小さいうちは可能ですが、大きくなると非常に困難です。
オヒシバは別名「チカラグサ」と呼ばれるほど根の張りが強く、大きく育ったものを手で引き抜くのは大人の男性でも苦労します。無理に抜こうとすると途中でちぎれてしまい、残った根からまた再生してしまいます。
どうしても手で抜く場合は、雨上がりで地面が柔らかくなっている時を狙い、根こそぎ抜ける専用の草取り道具を使うのがおすすめです。 - 除草剤を使いたくないので、塩や熱湯をかけてもいいですか?
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絶対にやめてください。特に「塩」はNGです。
塩を撒くと、オヒシバだけでなく全ての植物が育たない「死の土地」になってしまいます。塩分は土の中で分解されないため、その害(塩害)は半永久的に続き、花や野菜を植えることもできなくなります。また、家の基礎コンクリートや配管を傷める原因にもなります。
熱湯も、表面の葉は枯れますが、地中深くにあるオヒシバの根まで熱を通すのは難しく、労力の割に効果は薄いです。 - 散布した後に雨が降ってきました。効果はなくなりますか?
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散布から雨までの時間によります。
一般的な除草剤の場合、散布後6時間以内に雨が降ると成分が流れてしまい、効果が激減する可能性があります。ただし、記事内で紹介した「機能性展着剤(アプローチBIなど)」を混ぜていれば、散布後1時間程度で雨が降っても効果が落ちにくい場合(耐雨性)があります。
基本的には、天気予報をしっかり確認し、半日以上は晴れが続く日を選んで作業しましょう。 - 「ナブ乳剤」や「バスタ液剤」はどこで買えますか?
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大きなホームセンターの農薬コーナーや、ネット通販で購入できます。
一般的な家庭園芸コーナー(殺虫剤などが置いてある棚)には置いていないことが多く、鍵のかかったガラスケースの中や、屋外の資材館にある「農薬専用レジ」の近くにあることが多いです。
購入の際に印鑑や身分証が必要な場合もあるので、念のため持参することをおすすめします。近くにない場合は、Amazonや楽天などのネットショップでも購入可能です。
オヒシバに除草剤が効かない問題のまとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。オヒシバは「抵抗性」という武器を持った手強い相手ですが、決して勝てない相手ではありません。最後に今回のポイントを整理しておきましょう。
勝利への5つの鉄則
- グリホサートが効かない場合は、すぐに使用を中止し、別の系統の除草剤に切り替える。
- 農耕地や花壇周りでは、根まで枯らす「ナブ乳剤(ACCase阻害)」が最強。
- 駐車場や大きな雑草には、即効性の「バスタ液剤(グルホシネート)」で対抗。
- 芝生の中のオヒシバには、慎重に「アージラン液剤」を使用。
- 何よりも、春先の「土壌処理剤」で発芽そのものを封じることが最大の防御。
そして、どの薬剤を使う場合でも、「展着剤をしっかり使うこと」と「小さいうちに撒くこと」を忘れないでください。この基本を守るだけで、除草剤の効果は見違えるほど変わります。
雑草との戦いは毎年のことですが、正しい知識という武器があれば、その労力は確実に減らせます。今年の夏こそは、オヒシバに悩まされない、快適で美しい庭時間を楽しんでくださいね!
※記事内で紹介した除草剤を使用する際は、必ず製品のラベルや説明書をよく読み、適用作物、使用量、使用時期、使用回数を守って正しくお使いください。また、近隣への飛散防止など、周辺環境への配慮も忘れずに行いましょう。
