こんにちは。庭と暮らす、日々のこと、運営者の「ゆう」です。
最近、ふとした瞬間に「部屋に小さな緑があったらいいな」と思うことはありませんか?
そんな時にぴったりなのが、手のひらサイズの「ミニ盆栽」です。
でも、いざ始めようと思って専門店や園芸店を覗いてみると、本格的な盆栽鉢は意外とお値段が張るもの。
「枯らしてしまうかもしれないし、最初から高い道具を揃えるのはちょっと…」と躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、私たちの身近にあるダイソーやセリアなどの100円ショップには、おしゃれなミニ植木鉢としてはもちろん、少し視点を変えるだけで素敵な盆栽鉢に生まれ変わる「素材」が山のように眠っているんです。
食器やインテリア雑貨を代用して、自分だけのオリジナルの鉢を作る楽しさは、既製品を買うだけでは味わえない、ミニ盆栽ならではの醍醐味の一つだと私は思います。
ただ、100均のアイテムを使うにあたっては、「穴が開いていない食器をどうやって使うの?」「普通の園芸用の土でいいの?」といった疑問や不安も尽きないですよね。
そこでこの記事では、私がこれまでに数々の失敗を繰り返しながら辿り着いた、100均アイテムを最大限に活用してミニ盆栽を楽しむためのノウハウを、余すところなくお伝えします。
- 100均の食器や雑貨を盆栽鉢として選ぶ際の、プロも意識する「素材」と「形状」のポイント
- 専用工具がなくても大丈夫?初心者でも失敗しにくい穴あけ加工のリアルな手順
- 100均の土でも高級盆栽に負けない環境を作る、独自の用土配合レシピ
- 小さな鉢でも植物を元気に長生きさせるための、植え替えと固定のテクニック
100均でミニ盆栽の鉢を見つける選び方のコツ

園芸コーナーに行くと、プラスチックの鉢から陶器のものまで本当にたくさんの種類が並んでいますよね。でも、「ミニ盆栽」という視点で店内を見渡すと、探すべき場所は園芸コーナーだけではありません。「食器売り場」や「インテリア雑貨売り場」、さらには「収納用品コーナー」にさえ、素晴らしい鉢の原石が転がっています。ここでは、私が普段どんな視点でアイテムを選んでいるか、植物の健康を守るための機能的な側面も含めて具体的にお話しします。
ダイソーの食器を盆栽鉢に代用する技

ダイソーの食器売り場は、私にとってはおしゃれな盆栽鉢の宝庫です。特に注目していただきたいのが、お猪口(ちょこ)、豆皿、薬味入れ、そしてミルクピッチャーといった手のひらサイズの器たちです。
これらはサイズ感がミニ盆栽に最適であるだけでなく、和風の伝統的な柄から北欧風のモダンなデザインまで、園芸用品店では絶対に見つからないようなバリエーションの豊かさが魅力です。たとえば、藍色の和柄が入った「ぐい呑み」に小さな黒松を植えれば、それだけで数百年の時を経たような風格が漂いますし、真っ白な洋風のココット皿にモミジを植えれば、リビングにも似合うモダン盆栽になります。
ただし、食器を鉢として代用する場合には、植物の生理学的な観点から注意しなければならない大きなポイントがあります。それは「通気性」と「気化熱による冷却効果」の欠如です。
食器を鉢にする際の機能的チェックポイント
- 釉薬(うわぐすり)の有無:食器のほとんどは表面がツルツルしたガラス質の釉薬で覆われています。これは汚れを防ぐためのものですが、植物にとっては「鉢の側面から呼吸ができない」ことを意味します。そのため、後述する「土の配合」で通気性を補う必要があります。
- 高台(こうだい)の形状:器の底にある丸い土台部分(高台)に注目してください。底が完全に平らなものよりも、高台があって少し浮いているものの方が、地面との間に隙間ができ、通気性が確保されやすくなります。
- 深さと形状のバランス:
- 深めの器(ぐい呑みなど):枝が鉢の縁より下に垂れ下がる「懸崖(けんがい)」という樹形や、根が長く伸びる松柏類に向いています。
- 浅めの器(豆皿など):土の量が極端に少ないため水切れしやすいですが、苔(コケ)を貼って風景を作る「景色盆栽」や、石付き盆栽には最適です。
「このお皿にあの木を植えたらどうなるかな?」と想像力を膨らませながら選ぶ時間は、盆栽作りの一番楽しいプロセスかもしれません。ぜひ、固定観念を捨てて、自由な発想で器を選んでみてください。
セリアの雑貨はおしゃれな鉢になる
一方で、セリア(Seria)は「これ本当に100円?」と驚くような、デザイン性の高いインテリア雑貨が豊富なのが特徴です。私がよくチェックするのは、インテリアコーナーにあるブリキのミニバケツ、アンティーク加工された陶器の小物入れ、そしてセメント風の無機質なコンクリートポットなどです。
セリアのアイテムは、全体的にスモーキーな色合いやマットな質感のものが多く、現代のインテリアにスッと馴染むのが嬉しいポイントです。例えば、錆びた風合いのブリキ缶にオリーブやユーカリの苗木を植えてミニ盆栽風に仕立てると、カフェに置いてあるような素敵なグリーンになります。
しかし、雑貨を鉢として利用する場合、材質ごとの耐久性や植物への影響を考慮する必要があります。
雑貨素材ごとの注意点と対策
- ブリキ・金属製:
そのままだと水やりのたびに錆びてしまい、錆が土に溶け出すと植物の根に悪影響を与えることがあります。また、夏場は直射日光で金属が高温になり、根が「蒸し風呂」状態になって枯れてしまうリスクも高いです。
対策:内側にプラスチックのポットを入れる「鉢カバー」として使うか、直接植えるなら内側に防水シートを貼るなどの工夫が必要です。夏場は日陰で管理しましょう。 - 木製ボックス:
ナチュラルな雰囲気が素敵ですが、水がかかり続けると腐食しやすく、カビやナメクジの温床になることも。
対策:防腐剤が塗られているものは植物に害がある場合があるので注意。こちらも鉢カバーとして使うのが無難です。 - セメント・コンクリート製:
アルカリ分が強い場合があり、酸性土壌を好む日本の多くの植物(サツキやツバキなど)とは相性が悪いことがあります。
対策:使用前に数日間水に浸けて「あく抜き」をすると安心です。
セリアの雑貨は、そのままでは栽培に適さない場合もありますが、少しの知識と工夫で、他にはないユニークな盆栽鉢へと変身させることができますよ。
初心者におすすめのミニ植木鉢の特長
「加工や工夫も楽しそうだけど、まずは枯らさずに育てられるか心配…」という初心者の方には、やはり本来の用途である「ミニ植木鉢」からスタートすることを強くおすすめします。最近のダイソーやキャンドゥなどの100均園芸コーナーには、ミニ盆栽に特化したような1号〜2号サイズ(直径3cm〜6cm程度)の極小サイズの植木鉢が充実しています。
これらを使う最大のメリットは、何と言っても「植物を育てるための機能が最初から備わっている」ことです。底には適切なサイズの排水穴が開いていますし、通気性を考慮した足(高台)が付いているものも多いです。
私が特に使いやすいと感じる「成功率の高い鉢」の特徴
数ある100均鉢の中でも、特に以下の特徴を持つものは、ミニ盆栽の栽培において失敗が少ないと感じます。
- 素焼き(テラコッタ)に近い質感の鉢:
表面に釉薬がかかっていない、あるいは薄くしかかかっていない鉢は、鉢の壁面自体が呼吸します。水やり後の余分な水分が蒸発しやすく、気化熱で鉢の中の温度を下げる効果もあるため、根腐れのリスクが大幅に下がります。和モダンなストライプ柄が入ったものなどは、見た目も良く機能性も高いので狙い目です。 - 足(脚)がついている鉢:
底が地面に密着せず、3本足や4本足で浮いているタイプです。鉢の下に空気が通るため、底穴からの排水がスムーズで、ナメクジなどの害虫の侵入も防ぎやすくなります。 - 口径が少し広めの鉢:
口がすぼまっている壺型の鉢は植え替えが非常に難しく、根を取り出す時に根を切ってしまうリスクがあります。最初は口が広く開いたお椀型や朝顔型の鉢を選ぶと、植え替え作業がスムーズに行えます。
まずはこうした専用の鉢で「水やりの感覚」や「土の乾き具合」を掴んでから、徐々に難易度の高い食器などの代用鉢に挑戦していくのが、長く楽しむための近道かなと思います。
鉢底ネットとワイヤーも100均で揃う
気に入った鉢が見つかったら、次は中身の準備です。鉢の中に土を入れる前に、必ずセットしなければならないのが「鉢底ネット」と、植物を固定するための「ワイヤー」です。これらも全て100均で揃えることができます。
ミニ盆栽の鉢は底穴が比較的大きいことが多く、そのまま土を入れると水やりのたびに土が流出してしまいます。そこで、園芸コーナーにある「鉢底ネット」を、底穴より一回り大きくカットしてセットします。
そして、ここで多くの初心者の方が見落としがちな、しかし盆栽において最も重要と言っても過言ではないアイテムが「アルミワイヤー」です。
なぜワイヤーが必要なの?
一般的な草花や観葉植物の植え替えでは、植物を固定するためにワイヤーを使うことはあまりありません。しかし、盆栽の場合は以下の理由から「物理的な固定」が必須となります。
- 土の量が少ないため安定しない:ミニ盆栽は極小の鉢に植えるため、土の重さだけで植物を支えることが難しく、頭でっかちになりがちです。
- 根の発育を守るため:植物が発根(新しい根を出すこと)するためには、根元が微動だにしない安定した状態が必要です。水やりや風で株がグラグラ揺れると、せっかく伸びかけた繊細な新根が切れてしまい、いつまで経っても根付きません。
100均ワイヤーの選び方
園芸コーナーや工具コーナー、あるいは工作コーナーを探してみてください。
おすすめは「アルミ製」のワイヤーです。鉄製は錆びますし、銅製は硬すぎて扱いにくい(本来は銅線が良いのですが、初心者には難しい)です。太さは、ミニ盆栽であれば1.0mm〜1.5mm程度のものが扱いやすく、十分な強度も確保できます。色は、土の色に馴染む「ブラウン」や「黒」があればベストですが、なければシルバーでも土の中に隠してしまえば問題ありません。
この「見えない部分のひと手間」が、数ヶ月後の植物の生育に劇的な差を生みます。ぜひ、鉢と一緒にワイヤーもカゴに入れてくださいね。
受け皿のサイズ合わせとデザインの工夫
室内でミニ盆栽を愛でる時に欠かせないのが「受け皿」です。水やりは基本的に屋外や流し台で行いますが、鑑賞のために室内に飾る際、鉢底から滲み出る水分を受ける皿がないと、大切な家具を汚してしまいます。
園芸コーナーで鉢とセットのプラスチック皿を買うのも良いですが、正直なところ、プラスチックの受け皿は少し安っぽく見えてしまいがちです。ここでも「食器コーナー」や「インテリアコーナー」の出番です。
素材を変えるだけで雰囲気が一変する
受け皿を工夫するだけで、100均の鉢がまるでセレクトショップのインテリアグリーンのように格上げされます。
- 陶器の小皿・豆皿:
最も王道の組み合わせです。鉢の色と同系色でまとめて統一感を出すのも良いですし、あえて「黒い鉢に白い皿」「青い鉢に黄色の皿」といった補色関係(反対色)を選んでモダンな印象にするのもおしゃれです。 - 木製コースター・トレー:
温かみのある和の雰囲気を演出できます。ただし、木は水に弱いため、長時間濡れた鉢を置きっぱなしにするとカビたり変色したりします。あくまで「飾る時だけ」使うか、防水ニスが塗られたものを選ぶと良いでしょう。 - スレートプレート(石の板):
最近ダイソーなどでも見かけるようになった、黒い石のプレートです。これにミニ盆栽を2〜3個並べて飾ると、一気に高級感が出て「ギャラリー」のような雰囲気になります。水をこぼしても石なので気になりませんし、黒い色が植物の緑を引き立ててくれます。 - 珪藻土(けいそうど)コースター:
洗面所やお風呂場グッズとして売られている吸水性の高いコースターです。鉢底から出た多少の水分なら瞬時に吸い取ってくれるので、機能性は抜群。シンプルなデザインが多いので、ミニマリストなインテリアにも合います。
サイズ選びのコツは、「鉢底の直径より一回り(1〜2cm程度)大きいもの」を選ぶこと。ギリギリのサイズだと、水やりの後に置いた時に水が溢れてしまうことがあるので、少し余裕を持たせるのがポイントです。
ミニ盆栽の鉢を100均グッズで自作する手順

さあ、材料選びが終わったら、いよいよ実践編です。「この食器、形は最高だけど穴が開いていない…」と諦めていたお気に入りの器を、自分の手で本格的な盆栽鉢に変身させてみましょう。また、100均の土をどうブレンドすれば植物が喜ぶ環境を作れるのか、その秘伝のレシピも公開します。
電動ドリルで陶器に穴あけする方法
陶磁器への穴あけ加工と聞くと、「職人技が必要なのでは?」「すぐに割れてしまいそう」と不安に思うかもしれません。しかし、適切な道具と正しい手順を踏めば、初めての方でも意外と簡単に、そして綺麗に穴を開けることができます。
私が最も推奨する方法は、やはり「電動ドリル」を使用することです。最近はダイソーでも数百円で乾電池式のミニルーターが販売されていますが、陶器の厚みによってはパワー不足で途中で止まってしまうことがあります。もし可能であれば、ホームセンターなどで数千円程度で買える電動ドリルドライバー(コード式でも充電式でも可)を用意すると、作業効率と成功率が格段に上がります。
絶対に欠かせない「ダイヤモンドビット」
ドリル本体よりも重要なのが、先端に取り付ける「ビット(刃)」です。金属用や木工用のドリル刃では、陶器は硬すぎて歯が立ちませんし、無理に押し付けると割れます。必ず「ダイヤモンド電着ビット」や「ダイヤモンドホールソー」と呼ばれる、先端にダイヤモンド粒子がコーティングされたガラス・陶器用のビットを使用してください。これらは100均の工具コーナーでもよく見かけます。
| 準備するもの | 電動ドリル、ダイヤモンドビット(径3mm〜6mm程度)、滑り止めマット、水を入れた容器、スポンジまたは霧吹き、マスキングテープ、保護メガネ |
|---|---|
| 手順1:養生と固定 | 器が回転しないよう、下に滑り止めマットを敷きます。穴を開けたい場所にマスキングテープを2〜3重に貼ります。これはドリルの刃が滑って器の表面を傷つけるのを防ぐためです。 |
| 手順2:水冷の準備 | ここが最重要ポイントです。ダイヤモンドビットは摩擦熱に弱く、熱を持つと器が「サーマルショック(熱割れ)」を起こして割れてしまいます。加工部分を常に水で冷やす必要があります。 ・器の内側に水を張る(内側から開ける場合) ・粘土で土手を作り水を溜める ・濡らしたスポンジを押し当てながら削る などの方法で、常に水がある状態で作業してください。 |
| 手順3:きっかけ作り | 回転するビットをいきなり垂直に当てると、遠心力で滑走(ウォーキング)してしまいます。最初はビットを斜め45度くらいに傾けて、テープの上から少し削り、「三日月状の溝」を作ります。これがガイドになります。 |
| 手順4:貫通作業 | 溝ができたら徐々にビットを垂直に戻し、焦らずゆっくりと掘り進めます。この時、強い力で押し付けてはいけません。「穴を開ける」のではなく「表面を薄く削り取っていく」イメージです。定期的にビットを上げて水を行き渡らせながら、時間をかけて貫通させます。 |
貫通する瞬間は「ガクッ」と抵抗がなくなるので、勢い余って器を台に打ち付けないよう、最後まで力を抜いて慎重に作業してください。
安全第一で作業しましょう
陶器の粉塵や、万が一割れた時の破片が飛散する可能性があります。必ず保護メガネを着用し、マスクをして粉塵を吸い込まないようにしてください。また、汚れても良い服装やエプロンで作業することをおすすめします。
釘やポンチでの穴あけと割れるリスク
インターネットやSNSでは、「電動工具を使わずに、釘と金槌(ハンマー)だけで陶器に穴を開ける裏技」が紹介されていることがあります。確かに、道具にお金をかけずにできる魅力的な方法に見えますが、私はこの方法を積極的にはおすすめしません。
なぜなら、この方法は「制御された破壊」であり、成功するかどうかは「運」と「熟練の感覚」に大きく左右されるからです。
なぜ割れてしまうのか?
陶磁器は「脆性材料(ぜいせいざいりょう)」といって、変形せずにいきなり破壊される性質を持っています。釘やポンチで一点に衝撃を与えると、その衝撃波が器全体に伝わり、最も弱い部分(目に見えない微細なヒビや、厚みの薄い部分)に応力が集中して、意図しない場所でパリーン!と真っ二つに割れてしまうのです。
それでも挑戦する場合の「生存率向上テクニック」
どうしても電動工具が用意できず、ダメ元で挑戦してみたい!というチャレンジャーな方のために、少しでも成功率を上げるためのコツをお伝えします。
- 衝撃を吸収する「詰め物」をする:
器の内側に、湿らせた土や砂、あるいは濡らしたタオルなどを隙間なくぎっしりと詰めます。これにより、打撃の衝撃が一点に集中せず、器全体に分散されるのを防ぎます。さらに器全体をタオルで包み、外側からもガムテープでぐるぐる巻きにして補強します。 - 先端が鋭利なものを使う:
コンクリート用の釘や、センターポンチなど、先端が硬く尖ったものを使い、穴を開けたい一点を狙います。 - 「コツコツ」と小さな衝撃を繰り返す:
一撃で貫通させようとフルスイングしてはいけません。「コン、コン、コン」と小さく鋭い衝撃を与え続け、表面の釉薬を剥がし、徐々に裏側の素地を削っていくようなイメージで叩きます。
この方法で成功した時の達成感はすごいですが、お気に入りの一点物の食器では絶対に試さないでください。100均の食器で、「割れたらまた買えばいいや」くらいの軽い気持ちで練習してみるのが良いでしょう。
100均の赤玉土で作る専用の土配合
苦労して穴を開けた鉢、あるいは選び抜いたミニ鉢に植物を植える時、一番大切なのが「土」です。「庭の土や、花壇の土を使ってはダメなの?」と聞かれることがありますが、ミニ盆栽においてそれは絶対にNGです。
鉢という閉ざされた極小空間では、自然界のような水分の移動や微生物の働きが期待できません。そのため、人工的に完璧な環境を作ってあげる必要があります。100均の園芸コーナーにある用土でも、配合次第でプロ顔負けの土を作ることができます。
ミニ盆栽のための「黄金ブレンド」
私が推奨する、100均アイテムで作る最強の用土配合は以下の通りです。
基本の配合(多くの樹木・草花に対応)
- 赤玉土(小粒):7割
- 腐葉土(ふようど):3割
これが基本中の基本です。赤玉土が排水性と保水性のバランスを取り、腐葉土が栄養分と微生物の住処を提供します。乾燥気味を好む植物(松・多肉植物・穴あけ食器使用時)
- 赤玉土(小粒):6割
- バーミキュライト:2割
- 腐葉土:2割
穴あけ加工した食器など、鉢自体の通気性が悪い場合は、無機質のバーミキュライトを混ぜることで土の中に空気の層を作り、根腐れを防ぐ工夫をします。
【最重要】「微塵(みじん)」を抜く作業
100均で売られている赤玉土は、専門店で扱う「硬質赤玉土(高温で焼成して硬くしたもの)」に比べると粒が柔らかく、袋の中で擦れて粉々になっていることが多いです。この粉状の土(微塵)が混ざったまま使うと、水やりをした時に鉢底で粘土のように固まってしまい、排水穴を塞いでしまいます。
植え付ける前に、必ず以下の手順を行ってください。
- 100均で売っているステンレス製の「茶こし」や「ふるい」を用意します。
- 使う分の赤玉土をふるいに入れ、軽く振って細かい粉を落とします。
- 残った「粒」だけを使用します。
たったこれだけの作業で、水はけ(排水性)が劇的に向上し、植物の根が呼吸しやすい環境が整います。「100均の土は質が悪い」と言われることがありますが、このひと手間をかければ、十分に盆栽用土として通用するクオリティになりますよ。
苗の植え替えとぐらつかない固定方法
土の準備ができたら、いよいよ植え付け(植え替え)です。ここでは、小さな鉢でも植物がしっかりと根付き、元気に育つためのプロの技術、「根洗い」と「固定」について解説します。
ステップ1:根の処理(根洗いと剪定)
買ってきたポット苗を外すと、根が鉢の形にぐるぐると回っている(サークリング現象)ことがよくあります。このまま植えても新しい根が伸びていかないので、リセットが必要です。
- 竹串を使って、古い土を優しく崩していきます。ミニ盆栽の場合は、土を半分〜3分の2程度落とします。
- 黒ずんで傷んでいる根や、太くて長く伸びすぎている根をハサミで切ります。盆栽では、水分を吸い上げる能力が高い「細い根」をたくさん出させたいので、太い根(直根)は短く切り詰めるのがセオリーです。
ステップ2:ワイヤーでの固定
ここで、先ほど準備した「鉢底ネットに通したアルミワイヤー」の出番です。
- 鉢底に薄く土を敷き、処理した苗を置きます。
- 鉢底から出ている2本のワイヤーを、根の塊(根鉢)を抱きかかえるようにして持ち上げ、根鉢の上でねじって締め上げます。
- ペンチでしっかりとねじり、余分なワイヤーを切って、切り口を土の中に埋め込みます。
指で幹をつまんで持ち上げても、鉢が落ちずに一緒についてくるくらいガッチリと固定されていれば合格です。これにより、新しい根が安心して伸びていくことができます。
ステップ3:土入れと「突き込み」
最後に土を入れていきますが、ただ上からかけるだけでは根の隙間に土が入りません。根と土の間に空洞(エアポケット)があると、そこから根が乾燥して枯れてしまいます。
竹串を使って、根の隙間に土を送り込むように「トントン」と突きながら入れていきます。これを「突き込み」と言います。隙間なく土が入ったら、たっぷりと水をやり、鉢底から出る水が透明になるまで微塵を洗い流して完成です。
よくある質問:穴なし容器は使える?

Q. 「どうしても穴を開けたくないお気に入りの器があるのですが、そのままで育てられませんか?」
Q. 「ハイドロカルチャー(水耕栽培)なら穴がいらないと聞いたのですが…」
このような質問をよくいただきます。結論から申し上げますと、「不可能ではありませんが、難易度は非常に高く、長期的な維持は難しい」というのが正直なところです。
穴なし栽培のリスク
植物の根は、水分だけでなく酸素も吸収して呼吸しています。穴のない容器では、水やりをするたびに底に水が溜まり、古い水が排出されずに残り続けます。すると土の中の酸素が欠乏し、嫌気性菌(酸素を嫌う腐敗菌)が繁殖して、根が腐って溶けてしまう「根腐れ」が起きやすくなります。
もしどうしても穴なしで挑戦する場合は、以下の条件を守る必要があります。
- 植物の選定:松やモミジなどの樹木類は諦め、サンスベリアやポトスなど、乾燥や過湿に比較的強い観葉植物を選ぶ。
- 用土の変更:有機質の土(腐葉土)は腐敗しやすいので使わず、「ハイドロボール」や「ゼオライト(根腐れ防止剤)」を使用する。
- 水管理の徹底:水やりのタイミングを厳密に見極め、溜まりすぎた水は器を傾けて捨てるなどのケアが必要。
「盆栽」として、四季折々の変化を楽しみながら数年単位で育てていきたいのであれば、やはり勇気を出して穴を開けるか、穴あきの鉢を使うことを強くおすすめします。
100均の鉢でミニ盆栽を安く楽しもう
ここまで、100均アイテムを活用したミニ盆栽の鉢選びと、自作・植え付けのテクニックについて長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
伝統的な盆栽の世界は敷居が高く感じるかもしれませんが、「100均の食器を鉢に見立てる」「自分で穴を開けてみる」というDIYの要素を取り入れることで、それは一気に身近でクリエイティブな趣味に変わります。
数百円の投資と少しの手間で、無機質なプラスチック鉢では味わえない、世界に一つだけの情景を作り出すことができます。「これ、鉢に使えそうかな?」「このお皿とあの植物を合わせたら素敵かも」という視点で100円ショップを歩くだけでも、新しい発見があってワクワクしますよ。
まずは失敗しても痛くない100均素材から、気軽に、そして自由にミニ盆栽ライフを始めてみてはいかがでしょうか。あなたの部屋に、小さな、しかし力強い自然の息吹が宿ることを願っています。
免責事項
本記事で紹介した加工方法(特に陶磁器への穴あけ)は、実践者の責任において行ってください。工具の使用に伴う怪我や、加工時の物品破損について、筆者は一切の責任を負いかねます。また、紹介した商品は店舗や時期によって取り扱いがない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
