「鉄分なら何でもいいだろう」と、人間用のサプリメントを植物に与えて、大切に育てた花を枯らせてしまった人がいるのをご存知でしょうか?
こんにちは。庭と暮らす、日々のこと、運営者の「ゆう」です。
植物の元気がなくなった時や、お気に入りの植物を増やしたい時、真っ先に思い浮かぶのが「メネデール」ですよね。でも、いざ使おうと思った時に手元になかったり、頻繁に使うにはコストが気になったりして、「何か家にあるもので代用できないかな?」と検索した経験は、私にもよくあります。
実は、「メネデール 代用」と検索している方の多くが、単なるコストダウンだけでなく、もっと手軽で、かつ効果的な方法を探しているのです。
結論から申し上げますと、植物の状態や目的(挿し木なのか、成長促進なのか)によっては、メネデール以外の製品の方が優れている場合や、キッチンにある意外なものが代わりになるケースが存在します。
しかしその一方で、ネット上には「間違った代用方法」も溢れており、それを信じてしまうと植物にとどめを刺しかねません。
- 成長期の植物にはメネデールよりもリキダスが最強の代用品になる理由
- 挿し木の発根成功率を高める「ハチミツ」の科学的根拠とレシピ
- 100均の人間用鉄分サプリが植物にとって「猛毒」になり得るメカニズム
- 根腐れや瀕死の状態では、なぜ代用品ではなくメネデール一択なのか
成長や発根で使い分けるメネデールの代用

「メネデールは万能薬」というイメージを持たれがちですが、実はその成分は非常にシンプルで、「二価鉄イオン」に特化しています。つまり、鉄分不足や発根時のエネルギー補給には最強ですが、それ以外のシーンでは、より適した「上位互換」とも言える代用品が存在するのです。ここでは、目的別にベストな選択肢を深掘りしていきます。
リキダスとの違いやどっちがいいかを比較
園芸店に行くと、必ずと言っていいほどメネデールの隣に並んでいる「リキダス」。パッケージも似た雰囲気なので、「結局どっちがいいの?」と迷ってしまいますよね。この二つは、成分も役割も全く異なるため、使い分けることで植物の成長スピードが劇的に変わります。
結論を先に言いますと、「すでに根が張っている元気な植物を、さらに大きく育てたい」という場面では、メネデールの代用としてリキダスを使う方が、むしろ効果が高いということが分かっています。その理由は、リキダスが「フルスペック型」の活力剤だからです。
メネデールが「鉄分」という一点突破型のスペシャリストであるのに対し、リキダスには以下の成分が贅沢に配合されています。
| 成分名 | 植物への主な効果 |
|---|---|
| コリン | 細胞膜を丈夫にし、暑さや乾燥へのストレス耐性を高める |
| フルボ酸 | 土の中のミネラルを植物が吸収しやすい形に変える |
| アミノ酸 | タンパク質の材料となり、植物のエネルギー消費を節約する |
| カルシウム | 細胞壁を強化し、病気に強い体を作る |
これだけの成分が入っているため、光合成が活発な時期の「日常的な活力補給」としては、リキダスの方が圧倒的にコストパフォーマンスが良いのです。私自身の経験でも、夏場の暑さでバテ気味の植物にリキダスを与えたところ、葉のツヤが見るからに良くなったことがあります。
しかし、ここで重要な注意点があります。「挿し木」や「水耕栽培の初期」においては、リキダスはメネデールの代用になりません。むしろ、逆効果になるリスクがあります。
なぜなら、リキダスに含まれる豊富なアミノ酸や糖質といった有機成分は、水の中のバクテリアにとっても「ご馳走」だからです。挿し木のために水にリキダスを入れると、バクテリアが爆発的に増殖し、水中の酸素を消費してしまいます。その結果、切り口が腐ってしまい、発根する前に失敗してしまうのです。対してメネデールは無機質主体の成分なので水が腐りにくく、デリケートな発根管理には最適なのです。
賢い使い分けの結論
- 植え付け済みの株・成長促進:リキダス(メネデールより安価で効果大)
- 挿し木・発根管理:メネデール(水が腐りにくく安全)
ハイポネックスなどの肥料は代用になるか
「わざわざ活力剤を買わなくても、家にハイポネックス(液体肥料)があるから、これを薄めてメネデールの代わりに使えばいいんじゃない?」
これは、園芸初心者が最も陥りやすい「誤解」の一つです。はっきり申し上げますが、弱っている植物や発根前の植物に対して、肥料を活力剤の代用として使うのは基本的にNGであり、最悪の場合、植物を枯らす原因になります。
この理由を理解するには、「肥料(Fertilizer)」と「活力剤(Vitalizer)」の決定的な違いを知る必要があります。これを人間に例えると、イメージが掴みやすいでしょう。
肥料は「ステーキ」、活力剤は「点滴」
- 肥料(チッソ・リン酸・カリ):体を大きくするための「食事」。ステーキやご飯のようなエネルギー源。
- 活力剤(鉄・ビタミンなど):体の調子を整える「サプリメント」や「点滴」。
想像してみてください。あなたがひどい風邪を引いて寝込んでいる時(=植物が弱っている時)や、大手術の直後(=挿し木や植え替え直後)に、脂っこいステーキを無理やり食べさせられたらどうなるでしょうか?消化不良を起こして、余計に具合が悪くなりますよね。
植物も同じです。弱っている時に肥料を与えると、根が栄養を吸収しきれず、土の中の濃度が高まってしまいます。すると「浸透圧」という作用で、根から水分が逆に奪われてしまい、脱水症状を起こして枯れてしまうのです。これが、いわゆる「肥料焼け」の正体です。
「メネデール 代用」を探しているシチュエーションが、「植物を元気にしたい(回復させたい)」や「根を出させたい」という場面であれば、肥料の使用は避けてください。肥料はあくまで「元気な植物が、もっと育つために欲しがるもの」です。
ただし、植物が健康そのもので、「さらに大きくしたいけれど手元にメネデールがない」という場合であれば、規定量よりかなり薄めた液肥を水分補給として与えることは可能です。しかし、それはあくまで「水やり」の延長であり、メネデールが持つような「活力アップ効果」の代用にはならない点を覚えておいてください。
挿し木の発根に家にあるハチミツを使う方法
「今すぐ挿し木をしたいけれど、メネデールがない!」という時に、わざわざ買いに行かなくても、キッチンにある「あるもの」で強力な発根促進剤を作ることができます。それが「純粋ハチミツ」です。
「甘いものをあげたらアリが来そうだし、カビが生えるんじゃない?」と心配されるかもしれません。確かに土に直接まくのは厳禁ですが、挿し木の水揚げ用として使う場合、ハチミツは驚くべき科学的メカニズムを発揮します。
ハチミツがメネデールの代用になる科学的理由
ハチミツが効果的なのは、単に植物のエネルギー源(糖分)になるからだけではありません。最大の秘密は、ハチミツに含まれる「グルコースオキシダーゼ」という酵素にあります。
ハチミツを水で希釈すると、この酵素が働いて「過酸化水素」をごく微量に生成します。過酸化水素とは、傷口の消毒に使う「オキシドール」の主成分です。つまり、ハチミツ水は「天然のエネルギー入りの消毒液」になるのです。
挿し木の失敗原因のNo.1は、切り口から雑菌が入って腐ることです。ハチミツ水は、切り口を殺菌して腐敗を防ぎつつ、カルス(根の元となる組織)を作るためのエネルギーである糖分を直接供給できるため、理にかなった代用品と言えます。
ハチミツ発根促進水の作り方
この方法は、特にラベンダーやローズマリーなどのハーブ類の挿し木で高い実績があります。
- 清潔な容器に、水約470cc(カップ2杯強)を用意します。
- そこに、純粋ハチミツを大さじ2杯入れ、よく溶かします。
- 沸騰させないよう注意しながら、人肌程度のお湯で溶かすとスムーズです(熱すぎると酵素が死ぬので注意)。
- 冷ました液に、挿し穂の切り口を1時間〜数時間ほど浸します。
- その後、液から取り出し、清潔な用土に挿します。
注意点として、このハチミツ水は「つけ置き用」として使い、挿し木した後の水やりには使わないでください。土の中に糖分が残ると、カビやコバエの原因になります。「挿す前のドーピング」として割り切って使うのがコツです。
アスピリンやオキシドールでの代用と作り方
少し上級者向け、かつ実験的な代用方法として、家庭にある常備薬を活用するテクニックもあります。海外のガーデナーの間では有名なのが、解熱鎮痛剤の「アスピリン」を使った方法です。
アスピリンの主成分である「アセチルサリチル酸」は、植物の中で代謝されると「サリチル酸」という物質に変わります。実はこれ、植物ホルモンの一種なのです。
植物の「免疫スイッチ」を入れる裏技
植物は、病原菌に攻撃されると体内でサリチル酸を放出し、「敵が来たぞ!防御壁を固めろ!」と全身に指令を出します。これを「全身獲得抵抗性(SAR)」と呼びます。
アスピリンを溶かした水を植物に与えると、植物は「攻撃された」と勘違いし、病気に対する抵抗力を高めたり、気孔を閉じて乾燥に耐える準備を始めたりします。メネデールが「栄養補給」だとしたら、アスピリンは「免疫システムの強制起動」のようなものです。
アスピリン使用の注意点
- 濃度が重要:水1リットルに対してアスピリン1錠(または半分)程度のごく薄い濃度で十分です。濃すぎると薬害が出ます。
- 目的の違い:これは「発根促進」や「鉄分補給」の直接的な代用ではありません。「病気に強くしたい」「環境変化に耐えさせたい」という目的の代用として有効です。
また、オキシドール(過酸化水素水)を薄めて使う方法もありますが、これは主に「根腐れ防止」の酸素供給として機能します。メネデールほどの持続的な効果は期待できませんが、緊急時の殺菌・酸素供給としては一つの選択肢になります。
水耕栽培なら微粉ハイポネックスで代用する
「水耕栽培で育てている植物の葉の色が薄くなってきた。メネデールを入れた方がいい?」という質問もよくあります。水耕栽培の場合、土から栄養が取れないため、水に含まれる成分が全てになります。
メネデールは鉄分の補給には優秀ですが、植物の体を作る「チッソ・リン酸・カリ」は含まれていません。そのため、水耕栽培でメネデールだけを使い続けても、植物はやがて栄養失調になります。
水耕栽培において、メネデールの代用、あるいはそれ以上の成果を出したいなら、「微粉ハイポネックス」への切り替えを強くおすすめします。
通常の液肥(ハイポネックス原液)とは異なり、粉末タイプの微粉ハイポネックスは「カリウム」が非常に多く配合されています。カリウムは「根肥え」とも呼ばれ、根を強くし、光合成を促進する効果があります。水に溶けやすい鉄分などの微量要素もしっかり含まれているため、水耕栽培においてはメネデールと液肥を別々に与えるよりも、これ一つで管理した方が根の張りが良くなることが多いのです。
100均グッズでのメネデールの代用と注意点

昨今の100円ショップの園芸コーナーは驚くほど充実しています。「ダイソーやセリアで売っているもので、メネデールの代わりにならないかな?」と考えるのは、家計を預かる身として当然のことです。
しかし、100均製品の中には「使えるもの」と「絶対に使ってはいけない危険なもの」が混在しています。ここを間違えると取り返しがつかないことになるため、慎重に解説します。
ダイソーやセリアなど100均活力剤の効果
100均の園芸棚に並んでいる、緑色やピンク色の液体が入った小さなアンプル型の活力剤。3〜4センチくらいのボトルで、先をハサミで切って土に挿すタイプのものですね。
成分表示をよく見てみると、これらの多くは「チッソ・リン酸・カリ」をごく微量(0.1%程度など)に含んだ希薄な液体肥料であることがほとんどです。中には、ほとんどが色付きの水に近いものもあります。
これらの製品がメネデールの代用になるかというと、「気休め程度の水分補給にはなるが、メネデールのような劇的な回復効果は期待できない」というのが正直なところです。
メネデールの真価は、特殊な製法で安定化させた「二価鉄イオン」にありますが、100均のアンプルに同様の技術や高濃度の鉄分を期待するのは、コスト的に無理があります。「元気な植物にちょっとしたおやつをあげる」感覚で使うなら問題ありませんが、「枯れそうな植物を救いたい」「大事な挿し木を成功させたい」という勝負所での代用としては、力不足を否めません。
人間用の鉄分サプリは代用として危険な理由
今回の記事で、最も強くお伝えしたい警告がこれです。ネット上の一部で囁かれている「メネデールは鉄だから、100均の人間用鉄分サプリ(SeriaのFeサプリなど)を砕いて与えれば安上がり」という説は、植物生理学的に見て非常に危険な行為です。
「同じ鉄なんだからいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、物質としての形態が全く異なります。
人間用サプリがNGな3つの理由
- 吸収できない形態:人間用サプリは、胃酸で溶けて腸で吸収されるように設計されています(フマル酸第一鉄やヘム鉄など)。これらは、植物の根が直接吸収できるイオンの形(Fe2+)とは異なります。
- 添加物の害:サプリメントを錠剤の形に固めるためには、セルロース、乳糖、ステアリン酸カルシウムなどの「賦形剤」が含まれています。これらは土壌中では不純物となり、カビの原因になったり、土の通気性を阻害したりします。
- 塩類集積のリスク:不要な成分が土の中に溜まると、土壌の塩分濃度(EC値)が上昇します。これは植物にとって「塩辛いスープの中に浸かっている」ような状態で、根が水分を吸えなくなり、枯れてしまいます。
節約しようとして100円のサプリを使い、数千円、数万円もする大切な植物を枯らしてしまっては本末転倒です。人間用の薬やサプリを植物に流用するのは絶対にやめましょう。
自作の活力剤よりもただの水が安全な場合

ここまで様々な代用案を紹介してきましたが、一周回って究極の真実をお伝えします。実は、下手な自作活力剤を使うくらいなら、「新鮮な水道水」の方が、よほど優れた回復薬になる場合が多いのです。
日本の水道水は、世界的に見ても非常に水質が良く、ミネラルバランスが整っています。弱っている植物にとって一番必要なのは、実は「栄養」ではなく「酸素」と「水」です。
特に挿し木の場合、あれこれと混ぜ物をして水質を悪化させるよりも、毎日(あるいは朝晩)水を交換して、常に新鮮な酸素を供給してあげることの方が、発根率を高める近道になります。植物が持つ「生きようとする力」を信じて、余計なことをしないというのも、立派な園芸テクニックの一つです。
根腐れ対策なら代用せずメネデールを使う
最後に、どうしても「代用してはいけない場面」について触れておきます。それは、「根腐れ」や「植え替え直後の深刻なダメージ」で植物が瀕死の状態にある時です。
根が傷んでいる時、植物は自力で土の中の鉄分を溶かして吸収する力(根酸を出す力)を失っています。この状態で、吸収にエネルギーが必要なリキダスや、不確実な自作液を与えても、植物にはそれを受け取る体力が残っていません。
メネデールの二価鉄イオンは、植物がエネルギーを使わずに、スッと細胞内に取り込める形で存在しています。まさに「救急搬送された患者への点滴」のような役割を果たします。さらに、二価鉄は根の細胞が呼吸するのを助ける働きもあるため、窒息状態にある根腐れの回復には唯一無二の効果を発揮します。
もし、植物が本当に危険な状態にあるなら、根腐れの正しい処置方法を確認しつつ、そこはケチらずに本家のメネデール(または水のみ)を選択するのが、植物を守るための最善策です。
メネデールの代用に関するよくある質問

最後に、私がインスタグラムやブログのコメントでよくいただく、メネデールの代用についての質問をQ&A形式でまとめました。迷った時の参考にしてくださいね。
- 100均(ダイソーやセリア)の活力剤アンプルは代用になりますか?
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植物が元気な時の「水分補給」としてなら使えます。ただし、成分が非常に薄い液肥であることが多いため、弱った植物を回復させたり、発根を強力にサポートしたりするメネデールのような効果は期待できません。「お守り代わりの水」くらいの感覚で使うのが良いかと思います。
- 効果を高めるために、リキダスとメネデールを混ぜて使ってもいいですか?
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混ぜて使うのはおすすめしません。成分同士が化学反応を起こして沈殿してしまったり、本来の効果が発揮できなくなったりする可能性があります。「元気な時はリキダス」「植え替えや弱っている時はメネデール」というように、植物の状態に合わせて時期をずらして使い分けるのがベストです。
- 代用で作った「ハチミツ水」は作り置きできますか?
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作り置きは絶対にNGです!糖分が含まれているため、常温で放置するとすぐに雑菌が繁殖して腐ってしまいます。かえって植物の切り口を傷める原因になるので、必ず使う直前に作り、その日のうちに使い切るようにしてください。
- 結局、一番コスパのいい代用方法はどれですか?
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目的によりますが、日常的な成長促進なら希釈倍率が高く長持ちする「リキダス」、挿し木なら家にある「ハチミツ(都度使い切り)」、水耕栽培なら「微粉ハイポネックス」が、それぞれのシーンで最もコストパフォーマンスが高い選択肢になります。
状況に合わせてメネデールの代用を選ぼう
長くなりましたが、メネデールの代用に関する結論をまとめます。大切なのは「植物の今の状態」を見極めることです。
| 植物の状態・目的 | 最適な選択肢(代用) | 理由 |
|---|---|---|
| 元気な株を大きくしたい | リキダス | 成分が豊富でコスパが良い |
| 挿し木の発根促進 | ハチミツ水 / メネデール | 殺菌効果と腐敗防止が重要 |
| 水耕栽培の栄養管理 | 微粉ハイポネックス | 根を育てるカリウムが豊富 |
| 病気がち・環境対策 | アスピリン希釈水 | 免疫システムを活性化させる |
| 根腐れ・瀕死の状態 | メネデール / 水のみ | 根に負担をかけず呼吸を助ける |
「メネデールの代用」を探す時は、単に成分が似ているかだけでなく、「今の植物に体力があるか?」を問いかけてみてください。元気ならリキダスでさらにブーストをかけ、弱っているなら無理せずメネデールか水で静養させる。
この使い分けができれば、あなたの植物たちは今よりもっと元気に、生き生きと育ってくれるはずです。
